月刊カドカワ1995年2月号立体特集access[沈黙へのプロローグ]

ツイッターで読みながら感情の赴くまま実況したところ、アククラさんからかなりの反響があってびっくりしました。
というわけで、紹介記事を書きます!

この前、某ネット中古ショップでまとめてAXS関連物を買ったんです。
GBのアクセス記事まとめ本とか、アリーナのアクセス記事まとめ本とか、写真集とか、*1シングルCDとか、ライブビデオとか。とにかくAXSで検索引っかかったものは片っ端から買うという大人買い*2


その中に「月刊カドカワ95年2月号」のアクセス沈黙特集はありました。
深く考えずかった雑誌でしたが、これがかなり衝撃的で…!!!

沈黙が発表されたあとの特集で、沈黙の意味について探っているという点。
そして、それを三部作と絡めてメタ的にとらえているという点。
三部作と沈黙を小説化し、ビジュアル化し、その上で現実の二人のインタビューをのせているという点。

この三つの点で、カドカワの特集はアリーナやGBの特集とは一線を画していると思います。

他の雑誌でも沈黙後にアクセスのグラビアが載ることもインタビューに答えることもあったと思いますが、ここまで…清清しいまでに「物語」として提示された「沈黙」は他にないでしょう…。

「2人の真実」とか煽っておいて、そこに掲載されているのはメタな物語とグラビアなんですよ。
私みたいにAXSの沈黙を無視しきれない、そこに物語を見出したい気持ち悪い系新規AXSオタは読むととてもおもしろい雑誌だと思います…
あっもちろん、読んだことのないAXSファンの方も…!

-グラビア
合計6ページのグラビアがあります。三部作オリジナルストーリーと銘打った小説と連動するグラビアです。撮影はアーティスト写真で有名な管野秀夫さん。

…扉からしてすごい。

…三部作関連の、同性愛意識しまくった絡みグラビアよりも破壊力高いと思うんですがどうなんでしょう…これ、沈黙前提にとったグラビアなんだぜ…?
沈黙してる…よりそっている…ふたり…まじ…

グラビアみてたらまじ失神しそうなレベルなので、*3さくっと先に進みますが。

小説は三章からなっており、先の扉の後に第一章Awaking-覚醒-(街中でたたずむ二人)、第二章Confusion-混乱-(二人の目アップ)、最終章Liberation-解放-(空に浮かぶ十字架を見上げるふたり)とグラビアがづづきます。

…最終章のね、十字架がね…!!

空に浮かぶ十字架、そしてそれを見上げるふたりってグラビアがあってさ…Liberation−解放ーって副題がついててさ…俺が現実の中にみつけたのは…ってモノローグがあってさ…なにこれ!!この十字架はあれですかエレロマのジャケにつながるとか…そういうことですか!!!

ELECTROMANCER

ELECTROMANCER

ダイスケは十字架にはりつけになって(↑のエレロマジャケ参照)、HIROは「解放された俺の世界に足を踏み入れる」(小説原文ママ)んですか!!!!

…なにこれ!!!ここまで沈黙後に絡めていいんですか!!!!(衝撃


-「DRASTIC MERMAID」「SCANDALOUS BLUE」「TEAR'S LIBERATION」シングル三部作オリジナルストーリー 超伝導思考回路SEQUENCE MEDITACION 忘れていた感覚を呼び醒ませ。<純粋な感情>のおもむくままに―。

2011年、ニュータイプの人間DID−T5が誕生した…ってなんだこれ!!!三部作のオリジナルストーリーが載ってる…!!小説ASUKAのシーメデだけじゃなかったんだ…テキスト:エーアンドエヌって誰だ…。

正直、すんごく短いです。2ページ強しかありません。プロット的、そして抽象的…。
もうちょっと長い尺で読みたかったなー。

2011年、未来の地球というSF的設定。冒頭の世界観の説明部分で、いろいろあって性別が不要となる時代になって、ごく自然に「ゲイ・カルチャー」が浸透した、とか書いてあるんですけど唐突感いなめません…。やはりもっとページが必要だと思うの…。いや、でもあえて短くして抽象的にして、読む側の解釈を求めてるのかな、これは。

2011年、未来の地球では、さっきかいた性別不要になったってのと、もうひとつ大きな変かとして、予知能力や優れた反射神経を持ち新しいタイプの人間(DID−T5)が誕生して、DID−T5と、それ以前の人間が共存していると。

主人公(おそらくHIRO)は、「それ以前の人間」で、HIROの仕事上の相棒であるダイスケは、直接言及されてはいないけどおそらく「DID−T5」なんだよね。

HIROは、ゲイを差別するでもない、DID−T5を拒否するわけでもない、自分には関係ないもの、と思って過ごしている。そして、今の生活に満足している。(と思い込んでいる)

(ここらへんの描写があっさりしすぎていて、↑のゲイカルチャー云々、DID−T5云々の設定が生かされていないと思うのは私だけでしょうか…。)


そのHIROが、ある日、「なんてきれいな空なんだ」と、なぜかとても「純粋な感情」で蒼く澄んだ空を見上げて。その日から、仕事のコンピューターの画面上に、ガラス窓に、見知らぬ男の顔が浮かぶようになるわけです。

その男の眼は、ダイスケの眼と同じで…。

ある日、HIROの手をつかんだ謎の男に、HIROは問いかけます。
「これは夢なのか?」
「現実だよ。ただ、君が今まで見ようとしなかっただけさ」
「現実の中に、俺が見なかったもの?」
「君はもう見つけたはずだよ。そのことにまだ気づいてないだけ。さあ、行こう!」

そして男はHIROの手をとり走り出して。そのまま身を任せるHIROがいて。

二週間後。
HIROとダイスケの最高傑作(二人は平たくいうと音楽関係の映像作家)が出来た日。

最高傑作が流れるスクリーンに手を伸ばした瞬間、あの男があらわれて。
HIROはためらわず、男の頬に触れて。HIROの手と男の手が重なったとき、男とダイスケが重なって。

…HIROの脳内で、ダイスケと自分が抱擁をかわす、んだけど、現実のダイスケはただHIROを見つめているだけ。

現実のふたりの視線が重なった瞬間、ダイスケの言葉が光のように脳に直接届きます。
「僕ノ役目ハ君ノ潜在能力ヲ引キ出シ、覚醒サセルコト。君ハモウ大丈夫ダネ。」

それに黙ってうなずくHIRO。

「僕は新しい波(NWE WAVE)を捜しに行くよ」と、ダイスケ。
俺は、と言い淀むHIROを置いて、それじゃ、と、「今までみせたことのないような温かい眼」でダイスケは手を振る。

俺は今、解放された俺の世界に足を踏み入れた。俺が見つけた、現実の中に潜んでいる純粋な感情を追及するために…。


…なんじゃこりゃああああああああああああああああああああああああ!!!!

沈黙前提の特集っていったけど!!いったけど!!!この小説まで!!!なんなの!!!HIROの手を放してバイバイするダイスケとか!!!なんなの!!!

新しい波を捜しにいくダイスケと、解放された俺の世界に足を踏み入れるHIROとか!なんなの!!!!!!

ニュータイプのダイスケと、そうじゃないHIROとか!!!!
現実が見えていなかったHIROとか!!!!
それが全部わかっていたダイスケとか!!!!

なんなんですかこれは!!!!


三部作のPVとリンクさせつつ、ふたりの関係を、AXSの関係を物語にするとこうなるの…??
グラビアの写真とあわせて、ソロ活動のビジョンがすでにみえている大ちゃん、そして何にも考えてなかったHIROって対比が、とってもとってもわかりやすくかかれております…ね…。


-大ちゃん、HIRO、それぞれの単独インタビュー

まず大ちゃん。やっぱりこの人は自分の沈黙後の活動も見えているというか。
accessに関する「噂」(美少年デュオwwww - いーかげんな別館参照)まで三部作のイメージリンクだったのかもしれない、といってのける大ちゃん…かっこいいというかなんというか…。達観してますよね。

12月のアリーナツアーで三部作のセカイをライブで再現して、それで全部が完結したと語る大ちゃん。

一年目は幅を広げて、二年目はコンセプトを持ってひとつのことを深く追求する…で、沈黙。沈黙の間に、アクセスのシステムもイメージも模様替えしちゃうのもありだって…これIcemanの三部作の後にも同じようなこと言ってなかったか…。沈黙について、大ちゃんはすごくワクワクした感じで語っているんですよね。大ちゃんはファンに対して求めてるレベルも、音楽活動を一緒にする相手に求めてるレベルも、すごく高い気がする。自分にも厳しいけど。


対して貴水さんは。
『自分のことを知らない国に行くと、いきなり自分の歴史も消えて、しがらみもなくなって、自分という人間だけが見えてきそうな気がしていた。でも、今は自分の中に目標があるから、もう流されない。帰るべきところがあるから。』…たかみさああああああああああん!!!たかみさんたかみさんたかみさん!!!!涙涙涙!!!!

自分が書いた歌詞を間違えずに歌うので精いっぱいだった1年目のたかみさん…でも不安で足が震えたりすることはなくて、一生懸命にやってる自分に自信がなくなるようなことはなかったって…!この前向きさと負けん気の強さがたかみさんだよ!!!!

これは沈黙決まったあとのインタビューで。卒業なんて決まってなかった、そういう時期のインタビューで。

この時点(95年2月)ではaccessの新しい挑戦=沈黙として語っていて、あくまでaccessは続いていくものとして語っているんだよね…涙涙涙 


二人が共通してるのは、アクセスは終わらない、続いていくものとして語っている、アクセスをより新しいものにするための沈黙として語っているってことで…

「僕にはaccessがあるから」っていってるんですよたかみさんが!!!自分の中の目標、自分の居場所、もどるべき場所がaccessだって!!!なんの疑いもなく!!!

前は自分のことなんて誰も知らない土地へ行くことで、自分を見つけようとしていたと思います。いきなり自分の歴史も消えて、しがらみもなくなって、自分という人間だけが見えてきそうな気がしていた。今はもうないですよ。僕にはaccessがあるから。

月刊カドカワ95年2月号150〜151ページより引用)

クロブリで大ちゃんの肩を抱いて「俺たちがアクセスです!!」って叫んだヒロが、15周年苗場のラストで「アクセスは永久に不滅です!!」って叫んだヒロが目の前でだぶってしょうがないです涙涙涙!!!!!!!

AXS完全模様替えしちゃうかも〜♪とか気楽にわくわくした感じでいっちゃう大ちゃんに対して、HIROは自分の居場所として、自分のパーソナリティというか…アイデンティティとして「HIROと大ちゃんのAXS」を置いている気がするのね…。だから、だから…卒業宣言とその後のソロって…ほんとにすごくつらくて大変だったんだろうなって…涙。


+あべまねによるデリプラアリーナスタイルドキュメント

真剣なインタビュに対して、すごく軽いノリの日記ww

「オレ、ライブのノドの使い方がわかったよ!!(^-^)」
…貴水さんのセリフはいちいち顔文字つきで脳内再生されてしまいます!

で、アクセス定番の笑、いたずら話もあるんですけど。
しーちゃんの車がぶつけられて壊れたことにして驚かせようとするところがあるんですけど、 大ちゃんとヒロの目が誰よりもキラキラと輝いていたってwwww
最初はめちゃくちゃ遠慮していたたかみさんのこの順応性wwwww


さらにHIROのダンスリハみて笑い転げる大ちゃんwwwひどいwwwww
「大人(振付師)と子どものサル(ヒロ)だ」ってwwwwww

でもあべさんいわく、笑ってるのは褒めるのが照れくさいからなのは明らかだそう
…そうか…そうなのか!!!!!!そうだよね、HIROを選んだのは大ちゃんだもん…

そしてちょっと目を離すとスキャブルのエンディング

でおふざけをはじめるひろとだいちゃん…ちょうみたいんですけど…!!!


特集のラストを飾る言葉は。

決して振り返るための「沈黙」ではない。
限りなく広がる未来に比べたら、二か月という時間はそう長いものではない。
彼らに怒る新しい変化に期待して、その「沈黙」を超え、再生する二人を待つ―。

(同162ページより引用)
…これ書いた人(てっかんさん)は沈黙を越え、再生した二人を待つって書いてるんだよね…そして…実際に再生した二人を見届けてるんだよね…。


結論。沈黙の真実がわかるどころか、貴水さんのソロの痛みを思ってうわあああああってなって、ふたりのアクセスへの思いが強いものなんだって実感して、ますます7年の謎が深まる特集でした…。
*4

*1:しかしホント…2年間でこのグラビアの量、このインタビューの量…すごすぎる…沈黙なかったらあさくらさんはともかくたかみさんしんじゃってたって、この前中野でお話しした沈黙前からのファンの方がおっしゃってましたが、その意見も納得の量ですよこれは…

*2:(38点買ったんですけど、4千円いかなかったよ…)

*3:(94〜95の貴水さんのビジュアルの破壊力…たかみさんまいじゅえりーえんじぇる…)

*4:【個人的まとめ】二年契約説…もともと二年契約でHIROを大ちゃん側に貸し出して、んでも予想外に売れたもんだからHIROの事務所が大ちゃんの事務所に契約金大幅アップを要求して、それにこたえられず事実上の解散という説。実際に笑顔の会報で、二年契約に関しては言及されていた。…もさもありなん。沈黙が三部作前から決まっていたのは契約関係だろうし。でも「卒業」したのは、HIROが大ちゃんの世界に、スピードに、ついていけないって思ったからなんだろうなあ…って…ううっうっ